婦人

女性ホルモンが影響

ウーマン

脳内に変化を起こす

女性は結婚や妊娠、出産などライフイベントの節目節目で女性ホルモンの分泌量が変動しやすく、特に更年期は乱れやすくなっています。エストロゲンという女性ホルモンの分泌が激しく変動しますが、このホルモンは脳内の神経伝達物質の働きに大きくかかわっているので、精神状態の変動に強く影響を及ぼします。加えて、更年期は親の介護や子どもの進学、配偶者の昇進など、良いこと悪いことに関わらずさまざまな環境変化を伴う時期に一般的にはなりやすいため、強いストレスが加わりうつ病を発症しやすくなっているわけです。更年期のうつ病の特徴として、過去にうつ病にかかったことのある女性や出産後にうつ状態になったことがある人、PMSなど月経前気分障害などの症状があった人などは発症しやすいというものがあります。また、素人では更年期障害の症状と似ていることから見極めが難しく、本人はうつ病だと気づいていない場合も多いです。更年期障害かどうかは、更年期外来や女性外来などで受診すれば、血中の女性ホルモンの濃度や卵巣機能の低下などにより診断可能です。ただし、更年期障害と診断されて治療を続けているのに、治らないのであればうつ病を疑ってみる必要もあります。加えて、過去に罹患したことがある人は、血中の女性ホルモンの濃度が下がっている時には注意しておくことが重要になります。さらに、更年期のうつ病は比較的軽症な場合が多いですが、その反面治療のタイミングを逃すことにより重症化しやすいというのもひとつの特徴です。一般的には抑うつと不安の症状が主ですが、多くは身体的症状を抱えている人ばかりです。更年期のうつ病だと診断される時の特徴としては、不安感や焦燥感が強く、精神的不穏状態が続く、抑制症状が比較的軽く、家庭生活や社会生活は何とかこなしている場合が多いというものがあります。加えて、心気的訴えや身体的不定愁訴が多いことや抑うつ関連として、被害、関係など妄想をもったり、ヒステリー症状を示したりすることがあります。軽症とはいえ、寛解を迎えるまでには非常に時間がかかることが多く、再発もしやすいのが更年期のうつ病です。更年期のうつ病の薬物療法は、重篤な症状の場合には、抗うつ剤とホルモン補充療法の併用、軽症の場合には、抗うつ剤は使用せずにホルモン補充療法と精神療法を併用していくことになります。この際にもっとも有効だとされている抗うつ剤は、セロトニン作用薬のSSRIです。そして、エストロゲンはうつ状態を訴える閉経前後の女性や抗うつ剤に反応しないうつ病の女性の気分を改善します。加えて、黄体ホルモンのプロゲステロンは身体的症状を含め、うつの予防に効果があります。ただし、がんリスクを軽減するためにエストロゲンと併用したホルモン補充療法がとられるのが一般的です。このような治療を行っていきますが、閉経前と閉経後では同じ治療を行っても、閉経後のほうが寛解しにくいこともあるため、過去の病歴などから発症リスクの高い人は、更年期を迎えたらかかりつけ医を見つけるなどして、女性ホルモンの変動を把握し予防につとめることも大事になってきます。